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平成30年度 施政方針

平成30年度 施政方針
(2018年3月2日更新)
 本日ここに、平成30年3月市議会定例会が開催されるにあたり、市政運営に臨む私の姿勢と所信の一端を申し上げますとともに、平成30年度当初予算案の重点施策など、その概要をご説明申し上げます。

 「生き残るまちとなるのか、衰退の道をたどるのか」
 超高齢・人口減少社会にあって、全国の自治体がその岐路に立たされているといえます。幸い見附市は、平成17年度に「シュリンキングポリシー」を掲げ、早くから人口が減っても持続するまちづくりに取り組んできました。住民が健康で幸せに暮らせるまちであれば、たとえ人口が減少したとしても、恐れることはありません。
 まちの将来像である、住んでいるだけで健康で幸せになるまち「スマートウエルネスみつけ」の考え方のもと、健康増進事業だけでなく、中心市街地や地域のたまり場づくりや充実した公共交通、住宅施策や教育など、数々の事業に健康の考え方を取り入れ、「見附らしい」「見附にしかできない」施策を長年続けてきました。今年、全地域での設立が予定される地域コミュニティ施策もそのひとつです。あらゆる施策に市民から参加いただいており、それが見附の大きな魅力として、市民の誇りにもつながっていると思います。
 こうして着実に実行してきたまちづくりが昨年、コンパクトシティ大賞、プラチナ大賞受賞といった形で全国的にも評価されました。持続可能なまちづくりのモデルとして、その責任を感じると同時に、これまでのまちづくりに自信を深めることができました。
 しかし、現状に満足し、立ち止まることは許されません。見附の将来を見通し、真に必要な事業を見極めながら、思い切って施策を実行に移す。これまでの考え方や常識にとらわれず、市民に寄り添いながら、果敢に挑戦していくことは、私たちに課された大きな責務です。

 新年度の予算編成は、これまで評価いただいた施策をさらに実行、実証していく、その一歩としたいという思いを込め「モデル都市としてさらなる一歩」をテーマとしました。

 昨年は浄水場、ごみ焼却施設、給食センターといった市の重要なインフラの更新を決断。将来にわたる、まちの礎づくりに一歩踏み出しました。給食センターは29年度末に整備が完了。新年度は引き続き、浄水場とごみ焼却施設の更新に取り組みます。
 こうしたまちの礎をしっかりと固めた上で、さらなる飛躍を遂げるべく、将来の見附を形作る施策の着実な進展も図ってまいります。
 その一つが見附駅前の再構築の議論です。まちの中心市街地の一つとして、明るく、若者も魅力を感じることができる空間とはどんなものなのか、多くの市民や関係機関と議論を深めつつ、新年度では基本設計に着手してまいります。
 また、健康で幸せになるための様々な要素が凝縮した住宅地「ウエルネスタウンみつけ」は、地方の住環境の豊かさを全国に示すものです。今春の住宅展を皮切りに、本格的な販売を始め、30年度末までに全74区画の半分程度の販売を目指してまいります。
 さらに、見附の地域資源のブランド力を高め、横串で内外に発信していくために、見附市観光物協会を再編し、見附の豊かさを最大限PRできる体制づくりにも力を入れてまいります。

 こうした重点施策を含む、平成30年度の一般会計予算は、206億4千万円。29年度から取り組んでいる、ごみ焼却施設更新事業費の増などにより、前年度に比べて19億7千万円、10.6パーセントの増で、当初予算としては過去最大となりました。
 歳出が最大となる中でも、事業の優先度・重点度を考慮した予算配分を行い、限りある財源のメリハリある配分に努めるとともに、国からの財政支援のある借り入れや補助金を活用し、市の財政負担を最小限に抑えました。
 4特別会計と4公営企業会計を合わせた9会計の総額では、410億1500万円で、前年度に比べて6パーセントの増となります。

 それでは、以下、新年度の主な事業と予算の概要について、第5次見附市総合計画で掲げる4つの将来像に沿ってご説明申し上げます。

 まず、『人と自然が共生し健やかに暮らせるまち』についてであります。

 見附市では、これまで日本一健康なまちを目指し、市民が健康づくりを行う環境の整備やきっかけづくりに力を入れてまいりました。
 その代表的な施策として実施してきた健康運動教室や健幸ポイント制度は、新年度から、民間の資金やノウハウを活用した成果連動型手法である、「ソーシャルインパクトボンド」の仕組みを取り入れてまいります。この仕組みを広域自治体が連携して行うのは全国初です。
 自治体が民間に委託して行う従来型の契約では、サービスの提供が達成されれば、成果に関わらず、支払いがなされていた現状がありました。これに対し、ソーシャルインパクトボンドでは、成果指標を設定し、それに見合った対価を、事業者や資金提供者に支払う成果報酬型の契約となっています。
 事業者の意欲を高めることで、健康づくりの市民への動機づけを、さらに強いものとし、医療費や介護リスクの抑制、また健康寿命の延伸を目指してまいります。

 我が国は、諸外国に例をみないスピードで超高齢社会を迎え、当市においても2月1日現在の高齢化率は、31.3%と、市民の3人に1人が高齢者であります。このような状況の中、要介護状態となっても、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される、地域包括ケアシステムの構築を進めているところであります。
 市内に4か所ある高齢者の総合相談窓口「地域包括支援センター」では、地域の高齢者、一人ひとりに合わせた、きめの細かい支援・援助を行っています。新年度も引き続き、センターを中核とし、介護・医療に携わる多職種連携も行いながら、手助けを必要としている高齢者やその家族のケアに力を入れてまいります。
 このほか、従来からの介護予防事業や介護給付事業に、新年度から、訪問理美容サービスの出張費に対する助成事業を加え、できるだけ住み慣れた自宅などでの生活が継続できるよう支援してまいります。

 障害者福祉におきましては、言語としての手話の普及を推進する「見附市手話言語条例」を、昨年12月に制定いたしました。この条例に基づき、今後は総合的かつ計画的に手話言語を推進するための方針づくりに取り組んでまいります。
 他にも、手話奉仕員の養成や派遣などを通して、手話の使いやすい環境づくりを進め、手話への理解、普及の促進を図ってまいります。
 また、名木野小学校デイサービスセンターとして、その役割を終えた場所を活用し、障害をお持ちの方の、日中活動の場の確保や、その家族の負担軽減を図る日中一時支援事業を、福祉事業所と連携しながら、実施してまいります。

 次に、環境に対する取り組みであります。
 29年度から進めている、新ごみ処理施設の整備は30年度末に完了します。施設の設計・建設・運営を一括発注することにより、従来に比べ約19億円の経費削減につなげました。市民の暮らしを将来にわたって支えるとともに、最小限の負担で効率的な運営に取り組んでまいります。

 花と緑の景観を持つまちは、市民に、心やすらぐ暮らしだけでなく、歩くきっかけをも与えます。その象徴である「みつけイングリッシュガーデン」は、今や県内でも有数の観光スポットとなり、年間来場者は14万人を超えています。4月には、ここにカフェ物販施設「MEG CAFE 511」がオープンします。年々増える来園者からいただいた要望を形にしたものです。訪れた方からゆっくりとした時間を過ごしていただくとともに、見附の地元産品など、お土産も購入いただけます。ぜひ、多くの方からご来場いただきたいと思います。
 この「MEG CAFE 511」は、民間の指定管理者が、その収益で施設運営を行うため、市の財政負担は発生しません。行政と民間が担うべきものは何なのか、それぞれの強みを活かすことで、まちの魅力を最大化してまいります。

 続いて、『産業が元気で活力あるまちづくり』についてであります。

 見附には、ニットや織物に代表される「産業」、料亭の味や農産物などの「食」、そしてこれらと魅力ある施設を組み合わせた「観光」など、PRするべき地域資源が数多くあります。地域間競争が激化する中で、こうした見附が持つ資源を改めて見つめ直し、磨いて、市内外に発信していくことは、まちの活性化を考える上で、欠かせないことです。
 新年度では、見附市観光物産協会を一般社団法人化して再編。見附の物産や観光、まちなかにぎわいなどを横串にし、見附のブランド力を強化できる体制を整えることで、選ばれるまちづくりに取り組んでまいります。

 見附の地域資源の中でも、見附産のニットは全国的に評価されているものの一つです。高い技術に裏付けられた高品質のニットは誇るべきものであります。昨年3月には、見附産のニットが工場直販価格で買えるファクトリーショップ「プリメイラ」がリニューアルオープンしました。新年度も、多くの市民が、見附のニットの良さを実感し、友人などに紹介できる場となるよう、運営支援を行ってまいります。
 また、繊維関係の企業に対しては、製品の魅力向上や人材育成などの取り組みに対する支援も引き続き行って参ります。

 見附の基幹産業の一つである農業においては、意欲ある生産者の経営基盤の強化を支援するため、経営の多角化・複合化を支援するほか、引き続き、商品特産化・6次産業化の取り組みや農業・農村の多面的機能の維持・発揮を図るための支援を行ってまいります。
 また、現在、上北谷地区で2名が活動している地域おこし協力隊は、新たに新潟地区で1名が活動を始める予定です。農業の活性化や地域おこしに活躍いただけるものと期待しています。

 観光においては、長野県の中野市と芽野市と連携し、魅力的なガーデンをつなぐ観光ルート「長野・新潟ガーデン街道」を開発します。広域から観光客の誘致を図ることで、見附を訪れる人がさらに増えるよう取り組んでまいります。

 29年度に完売した県営中部産業団地は、現在、進出した企業54社のうち51社が操業しています。そこで働く人は約2,600人、そのうち見附市民は800人を超えています。30年度の法人市民税は前年度と比べ4億4千万円増え、約2.5倍となる見込みで、雇用だけでなく市の財源の確保にもつながっています。引き続き、新規投資への課税免除や市民の雇用への助成を行ってまいります。

 次に、『安全安心な暮らしやすいまちづくり』についてです。
 
 災害に強いまちづくりは安全安心なまちづくりに不可欠なものであります。市はこれまで、農家の皆さんにご協力いただいている田んぼダムや雨水貯留管の整備、情報発信体制の構築など数々の取り組みを進めてまいりました。また、市の防災訓練には毎年、1万人以上が参加し、自主防災組織の組織率も9割を超えるなど、市民の防災意識も高く、心強く感じております。しかし、市の防災対策や、市民への自助・共助の啓発に、終わりはありません。
 大規模な水害が発生した際には、いかに市とライフライン事業者などの関係機関が連携し、正常な状態に戻すかが重要となります。しかし、全国的に見ても、そういった連携まで踏み込んだ計画を設けているところはありません。新年度は、関係機関との連携を含めた減災行動計画を作成し、災害時の体制を、さらに強固にしてまいります。
 ハード面では、元町地区の大雨時の浸水被害を軽減するため、大平川・才川などの調査検討を行うほか、名木野町の岩沢堤の耐震補強工事の計画作成を行います。
 市野坪町タウン地区においては、今後予定される民間の第3期開発に合わせ、既存調整池を新しい調整池に移転統合することにより、治水対策を強化してまいります。また、既存調整池と隣接している公園を拡張することで、地区に増えている子育て世帯の増加に対応した、花と緑のある空間の形成も行ってまいります。

 近年、外出しない人とする人では、健康度に大きな違いが生まれることがわかってまいりました。住んでいるだけで健康で幸せになるまちを実現するためには、みつけ健幸の湯ほっとぴあや道の駅パティオにいがたといった外出したくなる目的地と、それらをつなぐ公共交通が重要です。中でも公共交通は自動車依存から脱却し、歩いてしまうまちづくりには、なくてはならないものです。
 公共交通の中核となるコミュニティバスの利用者は、年々増え続け、29年度には16万人以上の利用が見込まれています。今後もバス停上屋の整備に加え、JRとの接続やバス利用状況に配慮したダイヤ改正を行いながら、さらなる利便性の向上に取り組んでまいります。

 最後に、『人が育ち人が交流するまちづくり』についてであります。

 見附の人口の将来像を描いた計画「人口ビジョン」では、毎年の出生数を300に維持することを目標としています。この達成に向け、見附で安心して妊娠、出産、子育てができるよう、切れ目ない支援や環境整備の充実を図ってまいりました。
 28年度にスタートしたネウボラみつけでは、産前・産後といった早い時期のサポートと発達支援を一元的に行っています。特に発達支援では、早期の発見・支援を基本とし、保育士、心理相談員、言語聴覚士、保健師といった専門のスタッフ陣により、家庭に応じた支援を行っています。新年度では、ここに新たに作業療法士を加え、さらなる支援体制の充実を図ってまいります。
 
 また、共働き世帯などの増加により、仕事と子育てが両立できる環境整備へのニーズが増えてきています。社会福祉法人に運営を委託し、名木野小学校区に放課後児童クラブを新設するほか、引き続き病後児保育事業を行うなどして、環境整備を行ってまいります。

 小中学校、特別支援学校においては、「ふるさとみつけを愛するこども」、「世に役立つことを喜びとするこども」を育む「共創郷育」の理念のもと、多くの市民が参加する、地域ぐるみの教育が行われています。今年度も各学校の特色ある取り組みを支援しながら、確かな学力と、健やかな心身、豊かな人間性を育む取り組みを進めてまいります。

 小学校では今後、英語の教科化が予定されており、教員の英語の授業力向上が求められています。校長経験者などが教員の指導力向上にあたる「師がく」で、指導者1名を増員し、英語の授業力の向上を図ってまいります。

 教員の長時間労働が問題視される中で、不得手な部活動の顧問に就く教員のミスマッチの問題は以前から指摘されてきました。
 これを受け、29年度、教員の負担軽減を図りつつ、教育の質を高めるため、外部の指導者が中学校の部活動の顧問に就く、中学校部活動顧問派遣事業をスタートさせました。市内の全中学校で導入し、教員の負担を軽減させると同時に、子どもたちへの充実した指導につながっています。
 市単独の財源で始めたこの事業は、県内初の取り組みで、各方面から注目を集めました。見附の取り組みが全国のモデルとなり、国が部活動指導員を制度化するきっかけになったものと自負しております。新年度では、外部顧問の派遣を、全中学校でこれまでの1種目から、2種目へと拡充してまいります。

 29年度末に建設が完了する新しい給食センターは、今年の夏に稼働します。将来の施設修繕や運営の費用負担を最小限に抑えるため、給食を作らない時間も、施設を有効活用できる民間事業者との連携を進めてまいります。こうした取り組みは全国初であります。持続可能性を高めるため、果敢にチャレンジしてまいります。

 地域に住み、地域を愛する住民が、その地域の未来を描いていく―――。
 長年、多くの市民の皆さんから汗を流していただきながら進めてきた地域コミュニティは見附のまちづくりを語る上で、欠かせない存在となりました。新年度には、見附町部西地区の地域コミュニティが立ち上がり、市内全域での設立となります。組織立ち上げまで1年近くをかける見附方式は、時間はかかりますが、じっくりと組織の理念を作り上げることができます。こうした理念をもとに生まれた各地域の活動や人と人とのつながりは、見附の財産です。今後も力強く各地域の取り組みを支援してまいります。

 定住人口や関係人口を増やすため、見附の魅力の発信にも取り組みます。
 29年度に作成したシティプロモーション動画を使ったPRに加え、移住定住応援サイト「ハピネスみつけ」と中古住宅応援サイト「豊かな住まい」の発信を継続して行い、移住定住・住み替えの促進、全国へのシティプロモーションを行ってまいります。
 
 以上、見附市総合計画で掲げた市の目指す4つの将来像を中心に、平成30年度、見附市が取り組もうと考える主な施策について、その概要を申し上げました。

 「見附は自分にとって宝のようなまち―――」
 市が作成したシティプロモーション動画の中で、見附に移住した若者はこう語ってくれました。出演してくれた移住者の皆さんは見附への愛であふれており、改めて見附の良さを感じることができました。
 長年の施策が着実に実を結び、見附を愛し誇りに思う人が増えてきていると感じています。愛すべき見附を次世代へと残していくために、市民の皆様、議員の皆様、一丸となって知恵を出し合い、果敢にチャレンジしていこうではありませんか。

 ここに、議員ならびに市民各位のご理解とご協力をお願い申し上げ、平成30年度の市政運営に臨む私の所信表明といたします。