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見附市田んぼダムの効果
新しい「水位調整管」の実験について
見附市では、平成22年度から貝喰川流域の農地や市街地の洪水被害を軽減することを目的として、3カ年計画で流域内約1200ヘクタールの水田に特殊な水位調整管を設置する「見附市田んぼダム事業」の取組みを行っています。本年度は計画の最終年度となっていますが、このほど新潟大学農学部吉川准教授を中心とする「ティーム田んぼダム」の協力を得て、農家の負担軽減と更なる効果の向上を目的とした「新しい水位調整管」の実験を行うことになりました。下の写真は2012年6月10日(日曜日)に関係者が集合して実験用の新しい調整管を設置した時の様子です。
今までの水位調整管は横に60ミリメートルの穴をあけて、そこから排水することで河川への排水量を抑制していました。
新しい調整管は底に50ミリメートルの穴をあけたバケツを既設管に取付けて排水するような仕組みとなっています。これにより、農家の皆さんが通常の水位管理に気をつかうことなく100パーセント田んぼダムの効果を発揮することができます。
新潟大学の解析による「見附市田んぼダムの効果」
昨年度、「見附市田んぼダム」の効果について、県の協力を得て新潟大学から検証を行っていただきました。その結果、昨年7月に発生した新潟・福島豪雨災害時のデータを参考として解析を行ったところ、下のデータのとおり、計画区域内で100パーセント田んぼダムを実施していた場合には今町市街地においては床下浸水を99パーセント、床上浸水は100パーセント被害を減少させることができるという報告がされました。
田んぼダムシミュレーション | 市街地の床下浸水面積 | 市街地の床上浸水面積 |
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調整管未設置 | 212.4ヘクタール | 9.3ヘクタール |
調整管設置 | 15.5ヘクタール | 0ヘクタール |
解析結果により、見附市の田んぼダムは内水氾濫対策として大きな効果があることが分かりました。今後も関係団体、地元農家の協力を得て、田んぼダムの取組みを推進していきます。
新潟県ホームページでも田んぼダムを紹介しています。